夕彩釉(ゆうさいゆう)とは、簡単に言いますと緋色(ひいろ)に発色する光沢のある薄い釉薬です。
まずは夕彩釉について書く前に、陶器を焼成した時に発色する緋色について述べます。緋色とは、火色とも書きますが、やきものの表面にオレンジ色といいますかロウソクなどの炎の先(酸化炎)の色の様にほの赤く発色する色の事を言います。これはある意味の酸化現象と言えるものなのですが、素材の土に含まれている鉄分とアルカリの反応により出る色と思われます。アルカリとは水に溶ける塩基のことで普通カリとソーダを指し、陶器の釉で言いますと溶媒剤の働きをするものです。灰などは石灰・アルカリ塩としてカリとソーダを含んでいますので、灰釉が掛かった陶器の高台をかるく拭いて焼成しますと緋色が出ることがあります。
私は焼成の時、棚板に釉が垂れて陶器とくっつかないように耐火度の高い土をつめたあさりの貝殼を高台(こうだい)の下にひくのですが、これでも高台に緋色がでます。余談ですが、あさりの中身は好きな味噌汁に入れて食べています。備前焼の中にも緋襷(
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