菓子器について |
茶の湯においてのお菓子は、濃茶の時が主菓子で、薄茶では干菓子という風に決まっているようですが、略式の茶会などでは、主菓子と干菓子を一緒にして出したり薄茶の時にも主菓子を出したりと、自由にとり入れているいるようです。大切なのは人をもてなす気持ちと言えます。 茶の湯において正式な菓子器といいますと、朱塗りで蓋のある菓子椀で出す事とされています。お菓子はは元々懐石料理の一部と言えるものなので、一人の客に一つの器というのが正式と言えます。その他に代表的な菓子器としては、縁高といって折敷の縁が高くなったようなもので、五客を一組として重ねて使う入れ物があります。
陶器の菓子器では菓子椀や縁高などよりも少し略式ですが、各自それぞれに出す銘々皿や人数分のお菓子を盛り込んで出す蓋の付いた食籠(じきろう)があります。最近では菓子器といえば、菓子鉢や菓子皿が盛込み用として最も一般的かもしれません。変わったところでは、茶箱や茶籠で用いる振出しといって金平糖などの小さな干菓子を入れる徳利形のような菓子器もあり、振って何が出てくるか楽しみのひとつでもあります。
お菓子の甘さは、お茶の味を引き立て、さらに疲れた体も心も癒してくれます。日常から離れてほっとするひとときですから、普段使っている食器よりも形体や絵・色彩など変化に富んだものを使ってみるのも良いかもしれません。あまり形式にこだわらずお好きなお菓子をお好きな器に盛って楽しんでみてください。素敵なひとときが生まれます。 |